安居智博 作品展「イチカーバチカー One or Eight」
安居智博氏 トークライブ
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幼少期から続けるカミロボ制作や、SNSで話題になった作品、最新の制作裏側までお話いただきます。 たくさんのご応募、ご来場いただきありがとうございました。 |
「美術館ってのは作品販売はしない場所で、ギャラリーは作品を販売する場所なんだよ」と人に教えてもらうまで、そういう事をあまり深く考えずに創作活動をしてきたように思います。 その時にはすでにロンドンやメキシコの美術館でも作品展示の経験を重ねていたのに、です。 振り返ってみると、こんな調子で、ビックリするくらい無知なまま特殊な経緯を辿って創作と発表を続けてきたのだな、と我ながら思います。 三十代の頃から発表しはじめた「カミロボ」は、もともとは小学生の頃から自分の楽しみのためだけに作ってきた極私的な工作で、発表するつもりがなかった、というのが「特殊な経緯を辿ってきた」大きなポイントだったと認識しています。 しかも、数十年にわたって作り続けて1体1体に人格を感じていたカミロボを「売る」という発想も当然のように無かったんですよね。 なのでカミロボ発表後に、企画展示やグループ展という形でギャラリーから展示のお声を掛けていただいても「売るもの(=展示するもの)がない」という状態になって困ってしまう事が多々あったのです。 なんだそれ?ですよね…。なんだそれ、だったんです。 だからそこで初めて考えたワケです。 恥ずかしながら、ここまで来て、遅ればせながらようやく僕の、外側に向けた表現活動が始まったような印象でした。 まずそこで最初に意識せざるを得なかったのは「自分の内面世界」と「外側に向かっての表現」の境界線でした。 もともと小学生の頃は、自分のためだけにカミロボを作っていた一方で友達を主人公にしたマンガを描いてクラスのみんなを笑わせていたような面もあったのだから、当時のその「意識的に使い分けていた感覚」を思い出して、その境界線の両側の良いところを融合させて作品制作をすればいいのではないか、と思ったのです。 そこで作ったのが「日用品ヒーロー」です。 ここで僕はそれまで言語化できずにフワフワしていたものを少しだけ掴めたような感覚がありました。 |
10月14日 安居智博 トークライブ |
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前編 ルーツの話 | 中編 造形師時代 | 後編 カミロボ〜現在 |
【今後の展示予定】 |
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鈴木安一郎展「 みのへるねる kachidoki」 |